スペインワインの知識

ワインについて【熟成区分】

  • 熟成期間による区分

クリアンサ・レゼルバ・グランレゼルバと熟成期間によってランクが分かれ、赤ワインと白ワインの間でも認定される熟成期間は異なりますが、これらの認定を受けている銘柄はボトルに表記があるので初心者でもわかりやすいワイン選びの指針になります。スペインワインの主要産地リオハ(DO)をはじめ独自で熟成期間を長く設定して高品質を保っている地域もあります。
 

  • グランレゼルバ
【赤】

60ヶ月熟成:内18ヶ月(*リオハは24ヶ月)以上をオーク樽で熟成させる

【白・ロゼ】

48ヶ月熟成:内6ヶ月以上をオーク樽で熟成させる

 

  • レゼルバ
【赤】

36ヶ月熟成:内12ヶ月以上をオーク樽で熟成させる

【白・ロゼ】

24ヶ月(*リオハは36ヶ月)熟成:内6ヶ月以上をオーク樽で熟成させる

 

  • クリアンサ
【赤】

24ヶ月熟成:内6ヶ月(*リオハは12ヶ月)以上をオーク樽で熟成させる

【白・ロゼ】

18ヶ月(*リオハは24ヶ月)熟成:内6ヶ月以上をオーク樽で熟成させる

 
 

  • 熟成期間に応じて表記可能な言葉
Viejo(ビエホ)

最低36ヶ月以上熟成させ、光、酵素、熱などの作用で参加風味を帯びたもの

Añejo(アニェホ)

600L以下の樽または瓶で24ヶ月以上熟成

Noble(ノーブレ)

600L以下の樽または瓶で18ヶ月以上熟成

カバについて【糖度区分・熟成区分】

  • カバ(スパークリングワイン)

カバとはカタルーニャ州の言葉で「洞窟」「地下蔵」を意味し、スペインの特定地域でシャンパーニュ式製法を用いて生産されるスパークリングワインのこと。ワイナリーの所在地は原産地呼称(デノミナシオン・デ・オリヘン)の認定を受けている「カバ(DO)」に限定され、そのほとんどがカタルーニャ州ペネデス地域で生産されています。
 

  • 糖分含有量による区分
【ブリュット・ナトゥーレ(超辛口)】

3g/L 未満(糖分無添加)

【エクストラ・ブリュット(極辛口)】

6g/L 未満

【ブリュット(辛口)】

12g/L 未満

【エクストラ・セコ(やや辛口)】

12〜17g/L 未満

【セコ(やや甘口)】

17〜32g/L 未満

【セミ・セコ(甘口)】

32〜50g/L 未満

【ドゥルセ(極甘口)】

50g/L 以上

 

  • 熟成期間による区分
カバ・デ・パラヘ・カリフィカード

36ヶ月熟成。樹齢10年以上の木から収穫は手摘み。
最大収穫量8,000kg/ha、および最大収量4800L/haであること。

グランレゼルバ

30ヶ月熟成でボトル替えをしていないもの。
この表示が許されるのはブリュット・ナトゥレ、エクストラ・ブリュット、ブリュットのみ。

レゼルバ

15ヶ月熟成。
この表示が許されるのはブリュット・ナトゥレ、エクストラ・ブリュット、ブリュットのみ。

シェリーについて【熟成区分】

  • シェリー(へレス・ケレス・シェリー)

スペイン南部アンダルシア地方のへレスで「ソレラ・システム」という方法で作られる酒精強化ワインは「シェリー」と呼ばれ「へレス・ケレス・シェリー」という原産地呼称(DO)に認定されています。アルコール度数は15〜22%で醸造過程によって種類分けされ、熟成30年以上の最高級品は「V.O.R.S.」に認定されます。その他にも熟成20年で「V.O.S.」、熟成15年、12年も熟成年数が認定されます。
 

  • ソレラ・システム

ヘレス独特の熟成方法。4〜5段に樽が積み上げられた最上段に新酒が積まれ、時期がくるとその一部が2段目に移されます。同様に2段目から3段目と繰り返され、最後に最下段の樽から取り出されたシェリーが瓶詰めされることで、古酒と新酒が混ぜ合わさり毎年一定の品質を保っています。
 

  • シェリーの種類
フィノ(Fino)

アルコール度数15.5%まで酒精強化されその後オークの樽の中で熟成される。ワインの表面にフロールと呼ばれる酵母の膜を発生させ酸化を防ぎながら熟成を進めるタイプ。

マンサニーリャ(Manzanilla)

フィノと同じ熟成工程。サンルーカル・デ・バラメーダ地方で熟成されたシェリー。 

アモンティリャード(Amontillado)

フィノの熟成過程でフロールが無くなり酵母熟成が終わった後に酸化熟成を行うタイプ。フィノとオロロソの中間のシェリーと言われ酸化熟成の影響で琥珀色や褐色を帯びる。

オロロソ(Oloroso)

アルコール度数18度と高く酒精強化されるためフロールが発生せず、樽の中で酸化熟成を進めるタイプ。

クリーム(Cream)

オロロソと同じ熟成工程。ペドロ・ヒメネス品種のブドウが足し合わされているタイプ。

ペドロ・ヒメネス(Pedro Ximenez)

糖度の高いペドロ・ヒメネス種のブドウを天日干しして更に甘さを凝縮させ、熟成は意図的に止められながら断続的に進む。そのため酸化熟成が終わると豊かな甘味が加わる。 

 

  • 熟成期間による区分
VORS

ソレラ・システムで30年の熟成期間認定を受けた最高級シェリー

VOS

ソレラ・システムで20年の熟成期間認定を受けた長期熟成シェリー

熟成年数表示

15年熟成と12年熟成の2種があり、それぞれソレラ・システムで熟成されたシェリーに与えられる。

保護原産地呼称制度(DOP)

  • 保護原産地呼称制度

"Denominación de Origen Protegida"の頭文字をとってDOPと略され、他国ではAOP(フランス語)やPDO(英語)などと略されます。地域特有の農産物を使用した製品を差別化し品質を守るための「地理的表示」のひとつで、指定された地域、製法で生産されることが条件となります。ワインの他にチーズ、ソーセージ、オリーブ、ビールなどにも使用されます。
 

  • 保護原産地呼称の種類
単一葡萄畑限定高級ワイン:VP

ビノ・デ・パゴを略して(VP)と表記される。2003年のワイン法改正で新設されたカテゴリで所属する州政府と自治体によって認定される。DOやDOCに認定されていない地域でもその対象となり、特定の村落の特定の畑から生産される個性的な高品質ワイン。

特選原産地呼称:DOCa

デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダの頭文字を取って(DOCa)や(DOC)と表記される。原産地呼称の中でも特に優れた地域に認定され、現在はリオハとプリオラートの2地域だけが認定を受けている。

原産地呼称:DO

デノミナシオン・デ・オリヘンの頭文字を取って(DO)と表記される。統制委員会が設置された地域において、地域内で栽培された認可品種の葡萄を原料として、厳しい基準を満たして生産されたワイン。

地域名称付きワイン:VCIG

ビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカと呼ばれ(VCIG)と表記される。特定の地域で収穫された葡萄を原料に醸造されたワインでその地域の特徴を持つ。この分類で5年の実績を持つことがDOへの昇格条件となる。

赤ワイン用葡萄品種

  • テンプラニーリョ

リオハ(DO)やリベラ・デル・ドゥエロ(DO)に代表されるスペイン北部が原産地でスペイン赤ワインの象徴的品種。名前は”早熟"という意味を持ち収穫時期が他の品種に比べ早い。香り、酸度、糖度はいずれも控え目だが極めて繊細で樽の香りが容易にワインに移るため長期熟成でその特性が活かされます。アッサンブラージュ(他品種とのブレンド)で使われることが多く、スペイン産高級ワインのほとんどに使われています。
使用銘柄【モンテ・アロ】【バンダ・アスール】【バンダ・ロハ】【リオハボルドン・クリアンサ】他
 

  • ガルナッチャ

スペイン北東部アラゴン地方が原産でグルナッシュとも呼ばれてる品種。フランスとの国境を越えて広まり現在ではフランス、オーストラリア、イタリアなど世界の人気産地で栽培されていて、スペイン国内ではアラゴン、ナバーラ州、トレド県での栽培が多い。日照時間が長く乾燥した土地でよく育ち、高温、乾燥、強風など環境への耐性が強く、ソフトな口当たりの柔らかいタンニンと産地を反映した土壌の香りが特徴。アッサンブラージュで使われることが多い。
使用銘柄【リオハボルドン・レゼルバ】【バンダ・ロハ】【バンダ・アスール】他
 

  • マスエロ(カリニェナ)

スペイン北東部アラゴン地方が原産でカリニャンなどの別名を持ちフランスでの栽培が盛んな品種。濃い色調に高い酸度と豊富なタンニンで香りは強くないのが特徴。反対の性質を持つガルナッチャと合わせてバランスを良くしたり、リオハではテンプラニーリョ種の繊細さに力強さを加えるために用いるワイナリーもあります。害虫に弱い品種で栽培量が減った時期があったがプリオラート(DO)などでの成功を経て現在再評価されている品種。
使用銘柄【リオハボルドン・グランレゼルバ】【リオハボルドン・レゼルバ】【コンデ・デ・ロス・アンデス
 

  • グラシアーノ

18世紀後半にリオハ・アルタやリオハ・アラベサの西部で最も多く栽培されていたとされ、他国ではモラステル、ティンタ・メヌーダとも呼ばれています。生育期間が長く遅熟な品種だが粘土石灰質や石灰質土壌の深い表土の土地を好み、完熟した果実は濃厚な色で酸味のある重厚なワイン造りに適しています。リオハではカベルネ・ソーヴィニヨンに匹敵する濃厚な色をワインにもたらすことからテンプラニーリョ種とのアッサンブラージュで熟成させる醸造家も多い。

白ワイン用葡萄品種

  • ベルデホ

主な栽培地はカスティーリャ・イ・レオン州のルエダ(DO)。石灰質の小石の多い土壌で育ち、厳寒、猛暑、干ばつにも耐え適応力が高い。ルエダのような夏冬や昼夜の寒暖差の大きな土地でこそ果実味や豊かな香りが特徴付けられる。爽やかで芳醇な香り、酸度にも恵まれておりスペインの辛口高級白ワインに用いられる品種の一つでもある。
使用銘柄【パテルニナ・ルエダ・ベルデホ
 

  • マカベオ(ヴィウラ)

スペインではラ・リオハ州とカタルーニャ州、フランス南部のラングドック・ルション地方で広く栽培され、リオハではヴィウラ、カタルーニャではマカベオと土地によって呼び方が異なる。豊かな香りでワインに骨格を与え、柑橘系の香りから花の香りまでその特徴には幅がある。リオハでは樽発酵の白ワイン、カタルーニャではチャレッロ種やパレリャーダ種と共にカバ(DO)の三大品種を構成している。
使用銘柄【リオハボルドン・ブランコ】【ヴィニャ・ソレダッド】【ディアマンテ・ロゼ】【マサックス・ブリュット】他
 

  • マルヴァジア

原産地はギリシャであるが種類が多く栽培地によって異なった性質を持つためその味わいも多岐に渡る。石灰質の丘陵地帯では桃の香りの甘口、平野部ではレモンの香りのすっきりとしたワインに用いられる。イタリア全土で栽培されているほかポルトガルのマデイラワイン(酒精強化ワイン)に用いられている。スペインでは甘みのアクセントとしてリオハ産の白ワインに使用されることがある。
使用銘柄【ディアマンテ・セミ
 

  • チャレッロ

マカベオ種、パレリャーダ種と並ぶカバ(DO)の三大品種でワインの骨格づくりに重要な品種。病害に強く安定した生産性を持ち、金に近い黄色で房は小さく皮が厚い。単一だとしっかりしたボディで酸度が高く、わずかに渋味を感じるが他品種とのアッサンブラージュでバランス良く補完される。
使用銘柄【パテルニナ・カバ・ブリュット】【マサックス・ブリュット】【マサックス・ブラン・ド・ブラン
 

  • パレリャーダ

マカベオ種、チャレッロ種と並ぶカバ(DO)の三大品種でカタルーニャ地方に古くから根付く固有品種。主に標高300~600mで栽培され、芽吹きが早く栽培が難しい品種でもある。収穫時はまだ緑色で酸度もしっかりしており、花の香りに富みカバに優雅さや柔らかさを加える。単独で白ワインが造られることもある。
使用銘柄【マサックス・ブリュット】【マサックス・ブラン・ド・ブラン】【パテルニナ・カバ・ブリュット
 

  • パロミノ

アンダルシア地方へレスの名産であるシェリー(DO)に用いられ辛口シェリーには欠かせない品種。石灰質を大量に含んだアルバリサと呼ばれる土壌で育ち、成熟が早く小粒である。酸味や甘味は少なく熟成とともにナッツ系の香りが加わる。その他にもガリシア州やカスティーリャ・イ・レオン州などで栽培されている。
使用銘柄【フィノ・インペリアル】【オロロソ・ベルトラ】【マンサニーリャ・ヴィクトリア】他
 

  • ペドロヒメネス

パロミノ種と同じくシェリー(DO)には欠かせない品種だがこちらは甘口専用。日射量を多く必要とする品種で房は細長い円錐形を成す。糖分が非常に多く、シェリーではさらにこれを天日干しにして糖度を凝縮させる。その他にもモンティーリャ・モリレス(DO)やマラガ(DO)の甘いデザートワインの原料として使用されている。
使用銘柄【ペドロヒメネス・ヴィエハソレラ】【ペドロヒメネス・ベルトラ】【クリーム・ベルトラ
 

  • アルバリーニョ

スペイン北西部ガリシア州原産の高級白ワイン品種で、リアス・バイシャス(DO)の全域で栽培されている。小ぶりの房で果粒は中くらいのサイズ、果皮は金がかった黄色をしている。非常に香り高く酸味も豊富で口あたりの良いバランスのとれた辛口の白ワインとなる。

ページトップへ